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青々と萌える桜並木を抜け
朝日に揺らめく橋の上
そよぐ風がいつの間にか夏の香り帯びてきた

控えめなクラクションで「おはよう」の合図
追い越してく君の車を
キィキィ悲鳴上げる自転車でヤケになって追いかける

どんなに必死に漕ぎ続けても
届かないんだ どんどん離れてく
だからせめて歌わせて 遠すぎる君への片想い

僕らきっとこれから別々の人を好きになる
それぞれが描く幸せ求めて 日々を過ごすんだね
いつかどこかでこの歌が君の元に届いたら
その時が二人の始まりだから 今はさようなら

この桜並木がまだ芽吹く前だった
年のわりに幼く見える君と出会ったのは
そう言われてムスッとした顔も悪くないよ 可愛かった

僕ら敬語で話してたね
頭が真っ白で 歯がゆい沈黙が情けなくて
人の目をジッと見る癖が余計に緊張させる
だけど愛しくも思うんだ

いっそあの時君のこと思いっ切り抱きしめてれば
ホントはそれを待ってたのかな なんてもう遅いね
博打と恋愛事に「~たら」「~れば」は禁句さ
誰かがかっこつけて言ってたけど
やっぱり悔しいよ だって君が好きなんだから

君と二人この長い桜のトンネルを駆け抜けてみたかった
願いは想えば想うほど
何故だろう 叶わない気がしてくる

そうさ 僕らきっとこれから別々の人を好きになる
それぞれが描く幸せ求めて 日々を過ごすんだね
いつかどこかで独りぼっちになったら この歌が道標だよ
その時は君のこと絶対全部抱きしめるから 今はさようなら
いつの日か あの橋の上で


2006.11.23『4年後の未来へ』収録


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